Events

2017/04/11(火) - 2017/04/28(金)

石田榮写真集「はたらくことは 生きること―昭和30年前後の高知」出版記念写真展

終了しました
  • Exhibition

ふげん社にて4月11日(火)より28日(金)まで、石田榮写真集「はたらくことは 生きること―昭和30年前後の高知」 出版記念写真展を開催致します。

会期中には、大阪在住で御年90歳の石田さんと、写真評論家のタカザワケンジ氏と写真家の中藤毅彦氏をお招きしてトークイベントも開催されます。

みなさまのご来場をお待ちしております。

石田榮写真集「はたらくことは 生きること―昭和30年前後の高知」
アマチュア写真家 石田榮さんは、20代半ばで海外引揚者から譲り受けたドイツ製カメラ、セミイコンタに出会います。その後、勤務先の会社では写真担当として、そしてごく普通の父親として家族の写真を撮り始めました。

高知県で生活していた石田さんは、日曜日にカメラを抱え、休日でも身体を張って働く人々の元へ通うようになります。その頃に撮りためた写真がニッコールクラブキャッスル大阪支部長 宮崎豊氏に見いだされ、2016年7月に初の写真集「はたらくことは生きること―昭和30年前後の高知」として羽鳥書店から刊行されました。

かつて高知県の地場産業であった石灰の鉱山は石が彫り尽くされ、現在では大きな池になっていると石田さんは語ります。お土産物として売られていた美しい五色の石が採れた浜も縮小され、今はテトラポットが並ぶ、当時とは全く違う姿になりました。

作品の中に残されている、日本人が本来持っている謙虚さと慎み深さ、ユーモアさえ感じさせる可愛げのある人間の姿。戦後の日本人が何とか自分たちの生活を取り戻し、新しい時代を作り上げようともがいていたその時代が、現代の私たちに何を語りかけてくれるか。今年91歳になった石田榮さんの写真は、大切な答えをくれるはずです。

この展覧会では、60年の時を経たモノクロネガフィルムから焼かれた30数点の銀塩プリントを展示。サイン入り写真集の販売も行います。

戦後間もないなつかしい写真、などとひと言では言い切れない、瑞々しさを感じる美しい銀塩プリントの写真展示をどうぞご覧下さい。

◉会期
2017年4月11日(火)〜4月28日(金)
火-金 12時〜19時 / 土12時〜17時
日・月・祝 定休日

◉会場
コミュニケーションギャラリーふげん社
〒104-0045 東京都中央区築地1-8-4 築地ガーデンビル 2F
TEL:03-6264-3665
Mail:info@fugensha.jp

企画:ふげん社 羽鳥書店 Book Photo PRESS

協力:宮崎 豊(ニッコールクラブキャッスル大阪支部長)

杉あつよ(ギャラリー176)

プリント:フォトグラファーズ・ラボラトリー プリンター 斉藤寿雄

◉関連イベント
・4月14日(金)トークイベント 石田榮×タカザワケンジ(写真評論家)×中藤毅彦(写真家)
※要予約
日時:2017年4月14日(金)19時~20時30分

懇親会:同日20時40分~

参加費:トーク+懇談会 ¥2000(1ドリンク付)

ご予約方法
お電話、メールにて承ります。

代表者のお名前、ご参加人数、当日の連絡先(電話番号)をご明記の上お送りください。

TEL:03-6264-3665
Mail:info@fugensha.jp

◉作家プロフィール
石田 榮(いしだ さかえ)
1926(大正15)香川県綾歌郡に生まれる

1940(昭和15)14歳

株式会社東洋工作所(大阪)において機械見習工

1943(昭和18)17歳

香川県綾歌郡岡田村立青年学校本科繰上卒業

佐世保海兵団に入団、海軍航空整備兵

1944(昭和19)18歳

海軍普通科飛行機整備術練習生終了(102期)

高知海軍航空隊に所属 以降、出水海軍航空隊、河和海軍航空隊、高知海軍航空隊

1945(昭和20)19歳

鹿屋海軍航空隊で特攻機を整備し、特攻隊を送り出す

8月15日 終戦

1947(昭和22)21歳

協和農機株式会社(高知)勤務

1950(昭和25)24歳

旧満州の引揚者から「徳国製」の蛇腹式セミイコンタを入手

1951(昭和26)25歳 結婚

1954(昭和29)28歳

高知の「ソニアフォト」入会

1963(昭和38)37歳

慶應義塾大学経済学部通信制課程入学

1974(昭和49)48歳

大阪商工会議所経営指導員

1986(昭和61)60歳

石田実践経営事務所開設、経営コンサルタント

2012(平成24)86歳

7月 ニコンサロンbis大阪で個展

2014(平成26)88歳

4・7月 ニコンサロンbis大阪と新宿で第2・3回目の個展

◉写真集について
以下、羽鳥書店HPより

「はたらくことは生きること 石田榮写真集」

B5判 並製 200頁

本体価格 3,600円+税

ISBN 978-4-904702-62-8 C0072

2016年7月刊行

監修 堀瑞穂

ポートレート撮影 中藤毅彦

題字 華雪

アートディレクション・デザイン 長尾敦子

 

*応援サイト
https://ikirukoto.tumblr.com/

推薦コメント掲載者一覧(2016年9月22日現在)

菊田樹子(インディペンデント・キュレーター)/吉岡さとる(写真家 高知在住)/紅露 拓(湘南写真倶楽部)/岡本明才(沢田マンションギャラリー room38)/フランク・リチャード・チェイス/大日方公男(東京新聞・文化部)/辻山良雄(Title)/五坪侑恵(ジュンク堂書店)/田川怜奈(恵文社一乗寺店)/Nahoko Yamaguchi/横山起也(NPO法人LIFE KNIT)/若井浩子(Books and Modern)/尼崎 マツタケ食堂 松井/橋本佳子(映画プロデューサー )/松谷友美(写真家)/山下 豊(写真家)/木村 準(gallery 176)/平林達也(フォトグラファーズ・ラボラトリー)/平間至(写真家)/松田拓巳(North Lake Cafe & Books)/酒居郁二(bistro192)/ヨシダキミコ(ギャラリー 棚元)/中藤毅彦(写真家)/島田潤一郎(夏葉社代表)/小林紀晴(写真家)/タカザワケンジ(写真評論家、ライター)/華雪(書家)/師岡清高(大阪芸術大学 写真学科 教授)/綾 智佳(The Third Gallery Aya)/名久井伴久(日本写真協会会員)/奥野政司(京都写真クラブ)/佐野誠司(株式会社 on and on)/大澤友貴(写真研究)/堀 瑞穂(フォトエディター)

*写真集専門サイト「shashasha」での紹介ページ
https://www.shashasha.co/jp/book/hataraku-koto-wa-ikiru-koto-work-is-life

▼書評・記事
『東京新聞』 2016年9月4日「アートな本」

「(前略)大人たちは日がな汗まみれで働き、子守や手伝いをする子どもの姿も。そんな暮らしや労働が当たり前だった時代の記録だ。働くことは喜びでも苦役でもあるが、いきることにつながるその姿がまぶしい。」

http://hatoripress.blog.so-net.ne.jp/2016-09-06

『朝日新聞』 2016年9月18日書評

「日曜カメラマンが撮るものといえば、美しい風景や日常のスナップが思い浮かぶ。引き揚げ者からもらったカメラで撮り始めたという90歳の石田榮はしかしし、昭和30年ごろには高知で働く人々を追っている。」

http://www.asahi.com/articles/DA3S12565101.html

高知で暮らす女性たちの応援紙『k+』vol.117 2016年9月22日号

夏葉社 島田 潤一郎|第6回|読む時間、向き合う時間

http://www.kochinews.co.jp/image/media/k_puls_vol117.pdf

『北海道新聞』 2016年9月25日書評

「ごろんとした石灰岩を荷車に積んで坂道を運ぶ男女や浜で地引き網漁に汗を流す漁師など、いずれも厳しい労働現場にあって笑顔が光る。(中略)作品からは被写体との距離の近さが感じられる。戦時中、特攻隊の整備兵だった撮影者の経験が人へのまなざしに表れているように思う。」

http://hatoripress.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28

『しんぶん赤旗』 2016年10月2日書評

「(前略)かつて高知の鉱山や漁村、農村などで撮ったネガから約60年ぶりによみがえった写真です。多くが貧しかった時代、それでも生きる喜びにあふれた笑顔がまぶしい。」

http://hatoripress.blog.so-net.ne.jp/2016-10-05

▼概要
働くことは生きること、

いっしょうけんめい生きること。

戦後まもない高知の鉱山・漁村・農山村で働く人びとのかがやく姿を、鮮やかにとらえたアマチュア写真家の、深い共感のまなざし。

石田榮は、特攻隊を送り出す整備兵をへて、敗戦後、海外引揚者から譲り受けたカメラで写真と出会った。

働いて日々を生き抜くなかで、休みの日、カメラ片手に日曜日でも体を張って働く一次産業の人びとへ会いに通った。

昭和30年前後の5年ほどの間に撮られた写真は、ネガのまま半世紀を超え、人々の笑顔を甦らせる。

[収録テキスト]

私の写真人生  石田榮

切り取られた「昭和」のひとコマ  堀瑞穂(フォトエディター)

白菊──高知海軍航空隊の航空機整備兵として  石田榮