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2017/05/16(火) - 2016/05/27(金)

花織デビュー写真展「炎花」

終了しました
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このたび5月16日(火)より27日(土)まで、写真評論家である飯沢耕太郎氏が主宰する「ポートフォリオ・レビュー」出身で、難病とたたかう写真家である花織のデビュー写真展「炎花」を開催いたします。

花織さんは、1978年生まれの写真家です。学生時代から写真サークルに所属し、写真を撮り続けてきました。しかし7年前に「膠原病(こうげんびょう)」を突然発症してから、彼女の人生は大きく変わりました。

膠原病とは、厚生労働省によって特定疾患指定される、いわゆる難病と呼ばれる病気です。免疫力に異常をきたし全身のあらゆる臓器に慢性的な炎症を引き起こします。幼いころから病弱であったことに加え、この病気の発症をきっかけにして、命の儚さと直面し、日常的に死を意識するようになった花織さんは、月に照らされながら闇夜に咲く花に自己を投影し、生きた証を残すかのように、一心不乱に花の撮影を始めました。

膠原病の1つの症状である関節リウマチの影響により、手で重いものを持てなくなってしまったため、撮影の際は三脚を用います。撮影は夜間に、長時間露光という手法で撮影をします。合成処理はおこなっていません。
自らの命をまっとうするかのように、暗闇から鮮やかに妖しく浮かび上がる花の姿は、見る者を黙らせてしまうある種の凄みや、充満するエネルギーを感じます。それとは裏腹に、いつ闇に消えてもおかしくないような不安定さも兼ね備えています。生命のゆらぎが匂い立つ作品群には、私達自身の生き方についてふと立ち止まり考えさせる力があるのではないでしょうか。

花織さんは、恵比寿にある写真集食堂めぐたまにて月1回開催されている、写真評論家の飯沢耕太郎氏による「ポートフォリオ・レビュー」に昨年より通い始め、指導を受けられました。この度の写真展は、飯沢氏からのご推薦を受け、私どもが花織さんと出会い、彼女の写真への情熱的な取り組みひいてはその生き方に共感し、感銘を受け、企画させていただきました。

この展覧会では、40数点のオリジナルプリントを展示、販売いたします。写真家花織が身命を賭して臨むデビュー展を、ぜひ皆々様の目でとくとご覧いただけますと幸甚です。

 

◉ 開催概要

花織写真展「炎花」
2017年5月16日(火)~27日(土)

火-金 12時〜19時 / 土12時〜17時 / 日・月・祝 定休日

会場: コミュニケーションギャラリーふげん社
〒104-0045 東京都中央区築地1-8-4 築地ガーデンビル 2F
TEL:03-6264-3665 Mail:info@fugensha.jp

企画:ふげん社

協力:株式会社日比谷花壇ライフサポート事業部、Book Photo PRESS
プリント協力:株式会社イーストウエスト

 

◉関連イベント

※ご予約はお電話とメールで承ります→info@fugensha.jp、 03-6264-3665

★5月20日(土) 株式会社日比谷花壇ライフサポート事業部×ふげん社コラボイベント「季節の草花で作る 押し花はがきワークショップ」

 

ご協賛いただいた株式会社日比谷花壇様とのコラボイベントとして、きれいな押し花を使って自分だけのオリジナルはがきを作るワークショップを開催します。プロの押し花講師をお迎えして、丁寧にお教えするので、子どもから大人まで、誰でも楽しめます。大切なあの人に贈る、押し花はがきを楽しく作りましょう。

日時:5月20日(土)14時〜16時
定員:12名

講師:大東 春美(Atelier Ever Green 主宰)
参加費:1,500円(材料費込、美味しいお茶とお菓子付) ※要予約

講師プロフィール

大東 春美
Atelier Ever Green 主宰

押花ブーケデザイナー
ふしぎな花倶楽部インストラクター
(公益社団法人)日本フラワーデザイナー協会 NFD講師
(社)日本ブライダルコンサルタント協会 1級正会員

1998年 押花インストラクター取得
1998年 第一回世界押花デザイン展IN NAGANO記念コンクールグループ部門 金賞
1999年 世界押花観光ポスター展 新人賞 など、入賞

http://www.eg87.com

★5月27日(土) 飯沢耕太郎(写真評論家)×花織(写真家) 師弟ギャラリートーク

「ポートフォリオ・レビュー」で、花織さんを指導されてきた写真評論の第一人者、飯沢耕太郎氏をゲストにお迎えして、花織さんの作品に囲まれた会場でギャラリートークをしていただきます。トーク終了後、懇親会(クロージングパーティ)があります。
日時:5月27日(土)14時〜
参加費:1,000円(懇親会費込) ※要予約

 

◉ 作家ステートメント

私は、自分の生きた証として写真を撮り続けている。
私は、写真は一瞬の命を永遠に形として残せる魔法のようなものだと考えている。幼い頃から病弱だった私は、死を過剰に意識し、それと同時に、今生きているという大切な現実を忘れてしまうことを最も恐れている。
そして、とうとう私は、七年程前から難病で膠(こう)原病(げんびょう)の関節リウマチを患ってしまった。リウマチによって、私は重たいデジタル一眼レフカメラを支える左手を失い、右手さえもその機能を失いつつある。その為、私には三脚を使うしか手立てがない。そんな不自由な体でも、私は人が本来持っている生命力を伝えるために、写真作家として活動をしている。
作品の撮影は夜に行う。合成などは一切せず、シャッターを長く開けて露光する長秒時露光を行って撮影する。
夜の花には、昼間にはない全く別の妖しい顔があり、花の花芯がセクシャルで非常に興味深い影を落とすのだ。
闇夜は、不自由な体を持った私の病気に対する絶望感を表している。また、力強く、狂おしく咲く花々は私が本来持っている生命力を示している。私自身が肉体的、精神的に病気にのみこまれそうになりながらも、必死になって病気と闘っている姿を花々に例えて具象化しているのだ。
私は、病気でも写真制作をやめない私の生への執念から、人が本来持つ生命の力を伝えていこうとしている。そして、病を持つ人と、その人を支える人に勇気を与えるために活動を続けていく。

花織