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2023/05/18(木) - 2023/06/11(日)

立木義浩写真展
「EROTICA LAROTICA」

終了しました
  • Exhibition

©︎Yoshihiro Tatsuki

このたび2023年5月18日(木)から6月11日(日)まで、コミュニケーションギャラリーふげん社にて、立木義浩 写真展「EROTICA LAROTICA」を開催します。

立木義浩は日本を代表する写真家の一人です。1937年徳島県徳島市の、三代続いた名門の写真館の次男として生まれます。1985年東京写真短期大学技術科を卒業後、広告制作会社アドセンター設立時にカメラマンとして入社しました。その頃からファッションやコマー シャルの分野で活動し始め、『平凡パンチ』や『カメラ毎日』に連載を持ちます。1965年27歳当時、『カメラ毎日』に異例の56ページで作品「舌出し天使」を発表し、日本写真批評家協会賞新人賞を受賞します。1969年にフリーランスに転身。今日まで著名人の撮影を多く手掛けており、特に女性のポートレートの第一人者として知られています。

本展は、1972年に発売された写真集『EROTICA LAROTICA(エロティカ・ラロティカ)』(話の詩集、 1972)の作品を中心に、ヨーロッパを舞台にした女性のポートレート39点のアーカイバル・ピグメントプリントを展示いたします。

『EROTICA LAROTICA』は、1972年1月にウィーン出身の幻想画家である ディナ・ラロ(Dina Larot)のアトリエを訪ねて撮影したシリーズと、パリのキャバレー「クレイジ ー・ホース」のパフォーマンスを撮影したシリーズの2部構成となっています。

女性同士の官能を描くラロのアトリエを訪ねた立木は、ミューズの女性たちが集い、絡み合い、妖精が悪戯するかのように大胆にのびのびと戯れる様を活写しています。一方で、クレイジー・ホースでは、女性の身体のかたちにフォーカスし、夜に光り輝くダンサーたちのダイナミックな動きを捉えています。

本展ではさらに、『EROTICA LAROTICA』以外の、女性のヌード作品が出展されます。溌剌とした被写体と、その内面にある芯の強さ、彼女たちの生きる力をも感じさせるようなヌード写真は、背徳感を感じさせない明るいエロスであり、その人が持つ自然の美しさを虚飾なしに引き出しています。

『カメラ毎日』編集者で日本写真史に偉大な功績を残している山岸章二が、立木と被写体の女性との関係を以下のように表しています。

「立木とおんなとの出会いは、いつもそんな調子で気軽に、人なつこく、ほろにがく、あとをひかずにくりかえされてゆく」( 『GIRL』あとがきより)

まるで映画の主人公のように被写体にスポットライトを当て、その女性との出会いをドキュメントとして鮮やかに切り取る立木義浩の真髄を、ぜひご高覧ください。

会場では、新刊写真集を発売します。また、会期中には、写真家の串田明緒さんをゲストにお招きして、ギャラリートークを開催いたします。


今回の展示は画家とその絵、パリに息づいている女性たち、そしてクレイジーホースの踊り子たちである。これはカメラマンの「眼の欲望」といえるものだが、性の快楽が禁止に対する侵犯の喜びで、タブーを犯すという意識によるものならば、多くのタブーを加えれば、快楽は高められるに違いないが、写真のエロティシズムを考えると心の襞に埋火が見えて来る。灰の中に深く埋められていても燃え続けようと密かに身悶えする火である。ハンナ・アーレントは言う。思考の風がもたらすものは、知識ではなく、善悪を区別する能力であり、美醜を見分ける力です。

 (立木義浩ステートメントより)


© Yoshihiro Tatsuki

© Yoshihiro Tatsuki

© Yoshihiro Tatsuki

© Yoshihiro Tatsuki

■開催概要

立木義浩写真展「EROTICA LAROTICA」

2023年5月18日(木) 〜 6月11日(日)

火〜金 12:00〜19:00

土・日  12:00〜18:00

ナイトギャラリー  6月9日(金) 12:00〜20:00

休廊: 月曜日

会場:コミュニケーションギャラリーふげん社

〒153-0064 東京都目黒区下目黒5-3-12

TEL:03-6264-3665 MAIL:info@fugensha.jp

https://fugensha.jp

◉作家在廊(ブックサイニング)日程

5/18(木) 15:00-18:00

5/20(土) 15:00-18:00

5/27(土) 15:00-18:00

6/4(日) ギャラリートーク

■イベント

ギャラリートーク 立木義浩 × 串田明緒(写真家)

日時:6月4日(日)14:00〜15:30

会場:コミュニケーションギャラリーふげん社

参加費: 1000円(会場観覧・オンライン配信)

チケット販売 ▶︎ https://fugensha-shop.stores.jp/

※アーカイブ視聴可能期間は 2023年7月2日(日)まで

詳細はこちら

 

■写真集のご案内

会場にて写真集を販売しております。

立木義浩写真集サイン入り3冊セット ¥6,600(通販はこちら

【新刊】立木義浩『EROTICA LAROTICA』¥2,200(通販はこちら

立木義浩『Ko・So・A・Do』¥2,200(通販はこちら

立木義浩『L’aprés-midi à Paris』¥2,200(通販はこちら

立木義浩オリジナルTシャツ「L’après-midi à Paris)」¥5,000(通販はこちら

■プロフィール

立木義浩 Yoshihiro Tatsuki

1937年、徳島県・徳島市の写真館に生まれる。母・立木香都子は、NHK朝の連続テレビ小説『なっちゃんの写真館』(1980年)のモデルとしてその半生を描かれたことで知られる。1958年、東京写真短期大学(現・東京工芸大 学)技術科卒業。その後、広告制作会社アドセンター設立時にカメラマンとして参加。1965年『カメラ毎日』で掲載された『舌出し天使』が話題となり、一躍世間の注目を集める。1969年、フリーランスに転身。女性写真の分野を中心に、多く著名人を撮影。同時に世界中でスナップ写真を日常的に撮り続け、多くの作品を世に送り出す。その一方、広告・雑誌・出版など幅広い分野で活動し、現在も現役カメラマンとしてシャッターを切る。

主な受領歴に、日本写真批評家協会新人賞(1965年)、日本写真協会賞年度賞(1997年)、日本写真協会賞作家賞(2010年)、文化庁長官表彰(2014 年)などがある。

[主な著書]

1971年『GIRL』 『私生活/加賀まりこ』1980年『MY AMERICA』

1990年『家族の肖像』 1998年『東寺』 2001年『KOBE・ひと』2007年『ありふれた景色』

2012年『小女』『Tōkyōtō』『Yoshihiro Tatsuki 1〜8』2013年『é tude』 2016『動機なき写真』(日本写真企画) 、2018年『白と黒の協奏曲』、『舌出し天使 A FALLEN ANGEL』 、2019年『 20C』、2020年『Afternoon Paris~昼下がりのパリ~』、2021年「東寺 遍照」、2022年『DIALOGUE』、2022『Ko・So・A・Do』など他多数