2023/11/02(木) - 2023/11/26(日) 公文健太郎 個展「地の肖像」 終了しました Exhibition ©︎Kentaro KUMON このたび2023年11月2日(木)から11月26日(日)まで、コミュニケーションギャラリーふげん社にて、公文健太郎個展「地の肖像」を開催します。 公文健太郎は、1981年兵庫県生まれのドキュメンタリー写真家です。1999年から12年間ネパールへ通う中で出会った、一人の少女を追ったフォト・ドキュメンタリー『ゴマの洋品店』(偕成社、2010)で、日本写真協会賞新人賞を受賞。その頃は海外での取材が多かった公文は、2011年に東日本大震災の被災地を訪れ、かつてその地で営まれていた人びとの生活を何も知らない事実に衝撃を受けました。それ以降、日本各地の農家を訪ね、農家と公私にわたる付き合いをしながら、第一次産業に携わる人びとの生活を丹念に取材してきました。北海道から沖縄まで各地の農家を取材した『耕す人』(2016)、北上川の源流から河口までの人びとの暮らしを記録した『暦川』(2019)、8つの半島に日本の原風景を見出した『光の地形』(2020)(以上全て平凡社)、人口減少の一途を辿る瀬戸内海に浮かぶ離島・手島を写した『眠る島』(2022、Kehrer)などの写真集を発表しています。 本展では、北は北海道から南は八重山諸島まで、2012年から2023年までに撮影した写真から、長らく温めてきたテーマである、「人間と自然の接点」を軸にセレクトした約30点を展示いたします。 公文が長年取材を重ねてきた農業や漁業などの第一次産業は、言うまでもなく人間と自然が最も接近する場であり、決して思い通りにならない自然という大きすぎる存在とやり取りをしながら、日々の糧を得るため創意工夫をする、真剣勝負の場です。その現場には、里山という言葉に代表されるように、長い年月をかけて、人間が自然を開拓し、管理し、改変していった、絶え間ない努力の跡が見られます。美味しいりんごを出荷するため、剪定によって形作られた歪な樹形は、人間界と自然界の際で起こる光景を象徴しているようです。 近年、温暖化や異常気象の影響をダイレクトに受け、急速に変容してきた農家と漁業の現場で生まれる光景をも、公文のレンズは捉えます。 高度資本主義システムのもとで暮らす我々は、食の生産の現場になかなか実感をもつことはできませんが、作家が長年にわたり築き上げた関係性だからこそ捉えることができた、現代のリアルな「地の肖像」は、私たちの生きる時代を再考するきっかけを与えてくれるでしょう。 ©︎Kentaro KUMON ©︎Kentaro KUMON ©︎Kentaro KUMON ©︎Kentaro KUMON ■開催概要 公文健太郎 個展「地の肖像」 会期:2023年11月2日(木) 〜11月26日(日) 火〜金 12:00〜19:00 土・日 12:00〜18:00 休廊:月曜日、祝日(11月3日、11月23日) イベント: 11月2日(木)18:00〜20:00 オープニング・レセプション 11月12日(日)14:00〜15:30 ギャラリートーク公文健太郎×菅付雅信(編集者) 会場:コミュニケーションギャラリーふげん社 〒153-0064 東京都目黒区下目黒5-3-12 TEL:03-6264-3665 MAIL:info@fugensha.jp https://fugensha.jp ■イベント ①オープニング・レセプション 日時:11月2日(木)18:00〜20:00 会場:コミュニケーションギャラリーふげん社 ご自由にご参加ください。 詳細はこちら ②ギャラリートーク 公文健太郎×菅付雅信(編集者) 日時:11月12日(日)14:00〜15:30 会場:コミュニケーションギャラリーふげん社 参加費:1000円(会場観覧・オンライン配信) チケット販売▶︎ https://fugensha-shop.stores.jp/ ※アーカイブ視聴可能期間は 2023年12月10日(日)まで 詳細はこちら ■プロフィール 公文健太郎 Kentaro KUMON 写真家。1981年生まれ。ルポルタージュ、ポートレートを中心に雑誌、書籍、広告で幅広く活動。同時に国内外で「人の営みがつくる風景」をテーマに作品を制作。近年は日本全国の農風景を撮影した『耕す人』、川と人のつながりを考える『暦川』、半島を旅し日本の風土と暮らしを撮った『光の地形』などを発表。最新作は瀬戸内の島に起こる過疎化をテーマに写真集『眠る島』としてドイツのKehrer社から出版。 2012年『ゴマの洋品店』で日本写真協会賞新人賞受賞。 http://www.k-kumon.net 主な写真展 2004年1月 写真展「幸せと幸せの間に」世田谷文化情報センター生活工房 2009年7月 写真展「グラフィッチ」EMON PHOTO GALLERY 2010年11月 写真展「BANEPA」72GALLERY 2011年 写真展「ゴマの洋品店」全国キヤノンギャラリー巡回 2012年12月 写真展「March 2011, Rio de Janeiro」ブラジル大使館 2014年1月 写真展「Fōot Kat」ハッセルブラッドジャパンギャラリー 2016年8月-10月 写真展「耕す人」キヤノンギャラリーS 2018年1月-4月 展覧会「眠れる慈悲」ESPACE KUU 空(大正大学) 2019年1月-2月 写真展「地が紡ぐ」EMON PHOTO GALLERY 2019年9月-10月 写真展「川のある処」Jam Photo Gallery 2019年9月-10月 写真展「暦川」キヤノンギャラリー銀座・大阪 2020年6月 写真展「土よ、光よ、」MYDギャラリー 2021年9月 写真展「光の地形 − Imaginary Journey」SLOPE GALLERY 2022年 写真展「借景・隣り合うマチエール」MYDギャラリー 2022年7月 写真展「眠る島」Spiral Garden 2023年1月 写真展「耕す人』ギャラリー冬青 2023年10月 写真展「眠る島」T3フォトフェスティバル 主な写真集 写真集『大地の花』 – ネパール 人々のくらしと祈り -(2006/東方出版) 写真絵本『だいすきなもの』 – ネパール・チャウコット村の子どもたち -(2007/ 偕成社) 写真集『BANEPA』 – ネパール 邂逅の街 -(2010/青弓社) フォトエッセイ『ゴマの洋品店』 – ネパール・バネパの街から -(2010/偕成社) 写真絵本『世界のともだち – ネパール -』(2014/偕成社) 写真集『耕す人』(2016/平凡社) 写真集『英さんのバラ-愛され続けた家と庭-』(2017/伊勢工房) 写真集『地が紡ぐ』(2019/冬青社) 写真集『暦川』(2019/平凡社) 写真集『光の地形』(2020/平凡社) 写真集『眠る島』(2022/Kehrer)