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2024/03/29(金) - 2024/04/25(木)

大西みつぐ個展
「TOKYO EAST WAVES」

  • Exhibition

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「周縁の町から」(1992) ©️ Mitsugu Ohnishi

このたび、コミュニケーションギャラリーふげん社にて、2024年3月29日(金)から4月25日(木)まで、大西みつぐ個展「TOKYO EAST WAVES」を開催します。ふげん社から刊行される同名の写真集の刊行記念展です。

大西みつぐは 1952年生まれ、東京・深川出身の写真家です。1974年に東京綜合写真専門学校を卒業。1970年代から現在に至るまで一貫して、生まれ育った東京下町と湾岸の人と風景を撮り続けています。

このたび、ふげん社から出版される写真集『TOKYO EAST WAVES』は、第22回太陽賞受賞作「河口の町・江東ゼロメートル地帯84」、第18回木村伊兵衛写真賞受賞作「周縁の町から」、そして「NEWCOAST」の、3つのシリーズで構成されています。いずれも中判カメラ「マキナ670」を用い、カラーのポジフィルムとネガフィルムで、バブル景気の1980年代後半から1990年代初頭にかけて、東京東部とその近郊の街で撮影されたものです。
「河口の町・江東ゼロメートル地帯84」は、荒川と中川の河口付近を1984〜85年に撮影、「周縁の町から」では、1985〜92年に、千葉県北西部から埼玉南部などの東京近郊の都市に足を伸ばし撮影。そして「NEWCOAST」は、自身が江戸川区臨海町に居住を移した後の1987〜93年に、東京湾岸を舞台に撮影しています。
休日の市民プールや公園の賑わい、開発前の剥き出しの鉄塔や空き地、浜辺に出現するアベックたち、街角に佇むハイソックスの少年。6×7判のカラーフィルムで撮影された3つのシリーズは、バブル景気という奇妙な時代における市井の人々の生活と振る舞いが、同時代の一員でもあった大西によって、克明に記録されています。

本展では、1985年の太陽賞受賞記念展で展示されたプリントや、1995年の東京都写真美術館開館記念展で展示されたプリントなど、貴重なヴィンテージプリントも含めた35点を展示いたします。

『TOKYO EAST WAVES』は、東京の東側を拠点に、今日まで続いている大西みつぐの「始まりも終わりもない町歩き」を現在から照射します。カメラを片手に街を日々逍遥しながら、街の微細な変化と生活者の身振りに即座に反応し、時代の空気を的確に捉える、写真家の営為の重要性を、再確認する契機となれば幸いです。

会期中には、写真集『TOKYO EAST WAVES』に、国木田独歩『武蔵野』と大西みつぐの歩行を照らし合わせる刺激的な論考を寄せていただいた、写真家・ライターの大山顕さん(著書『新写真論』で2023年日本写真協会学芸賞受賞)とのギャラリートークを開催します。また、東京の下町を愛する写真家ジョン・サイパルさんをゲストに、あえて山の手エリアの目黒周辺(=TOKYO WEST)を歩き、ミニトークを開催します。

「河口の町・江東ゼロメートル地帯84」(1985)©️ Mitsugu Ohnishi

「河口の町・江東ゼロメートル地帯84」(1985)©️ Mitsugu Ohnishi

「周縁の町から」(1992)©️ Mitsugu Ohnishi

「NEWCOAST」(1995)©️ Mitsugu Ohnishi

「NEWCOAST」(1995)©️ Mitsugu Ohnishi

■開催概要

大西みつぐ個展「TOKYO EAST WAVES」

会期:2024年3月29日(金) 〜4月25日(木)

火〜金 12:00〜19:00
土・日 12:00〜18:00
休廊:月曜日

会場:コミュニケーションギャラリーふげん社
〒153-0064 東京都目黒区下目黒5-3-12
TEL:03-6264-3665 MAIL:info@fugensha.jp
https://fugensha.jp

■イベント

①3月29日(金)18:00〜20:00
オープニング・レセプション
ご自由にご参加ください。

詳細はこちら

②4月7日(日)14:00〜15:30
ギャラリートーク 大西みつぐ×大山 顕(写真家・ライター)

詳細はこちら

③4月13日(土)13:00〜15:00
目黒街歩き+ミニトーク「TOKYO WEST WALKS」
ゲスト:ジョン・サイパル(写真家)

詳細はこちら

チケットは、オンラインストアからご購入ください。
https://fugensha-shop.stores.jp/
※オンラインストアからのご購入が難しい場合は、ふげん社(03-6264-3665)までご連絡ください。
※配信チケットのアーカイブ視聴可能期間は2024年5月6日(月)まで

■写真集概要

大西みつぐ『TOKYO EAST WAVES』

寄稿:大山顕、土田ヒロミ
デザイン:宮添浩司

サイズ:A4変型(280×200mm)
仕様:PUR並製本・ビニールカバー

発行日:2024年3月20日
発行所:ふげん社

定価:6,600円(税込)
ISBN 978-4-908955-27-3

◉写真集のご注文はこちら

◉プリント付き写真集(数量限定)→SOLD OUT!

■アーティスト・ステートメント

東京の東の一番端っこにある臨海公園から東京湾を飽きもせず眺めていることが多い。左の対岸には広大な「東京ディズニーリゾート」の施設がよく見える。ここは千葉県船橋の「三番瀬」のような遠浅の海であるため、大潮の時には広大な干潟が広がり東京とは思えない風景ができ、まるで地続きであるかのような「王国」が誕生する。反対に潮が満ちている時には短い波が彼方から繰り返し押し寄せ、それらは不思議な静けさを伴い、そのまま都心へと続くかのような余韻を残し、黙って海を見つめている私の身体を容易に越えていく。その度、私はまだ1980年代のそこにいるのではないかという妙な錯覚に陥ってしまう。

「バブル」へと続く時代の東京とその近郊。当事者でありながら通過者になりきることの後ろめたさを覚えながらカラーフイルムによるスナップショットを続けていた。今、それらの写真を見ると、なんともいえない「気だるさ」と「物悲しさ」のような人と風景の交わりが垣間見えてくる。不思議な時代だったとも思えるが、時代のドキュメントとして綿密に記録していこうという意図もなく、自分の日常を照らしつつ淡々と「マキナ670」のシャッターを押していた。しかるにカラー写真群が少しも懐かしくないのは、これらの「出来事」が今の「東京」にきれいに重なってくるからだろう。

2024・3 大西みつぐ

■プロフィール

大西みつぐ Mitsugu Ohnishi

1952年 東京深川生まれ
1974年 東京綜合写真専門学校卒業
1985年 「河口の町・江東ゼロメートル地帯84」で第22回太陽賞受賞
1993年 「遠い夏」、「周縁の町から」で第18回木村伊兵衛写真賞受賞
1993年 江戸川区文化奨励賞受賞
2017年 日本写真協会賞作家賞受賞
自主映画監督作品「小名木川物語」を公開

主な写真集に『TOKYO HEAT MAP』(禅フォトギャラリー、2021)、『川の流れる町で』(ふげん社、2016)、『Wonderland』(日本カメラ社、2008)、『遠い夏』(ワイズ出版、2001)、『WONDER LAND 1980-1989』(私家版、1989)など。

現在、日本写真家協会会員、日本写真協会会員。ニッコールクラブ・シニアアドバイザー。