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2025/01/31(金) - 2025/02/23(日)

飯沢耕太郎詩集『猫島からの帰還』刊行記念
高橋克之 挿画展

  • Exhibition

俺は俺ら俺らは俺壱匹にして無数なる∞なる個 (「猫が…」より)
©️Katsuyuki Takahashi

このたびふげん社は、飯沢耕太郎詩集『猫島からの帰還』刊行記念・高橋克之 挿絵展を2025年1月31日(火)から2月23日(日)まで開催いたします。

飯沢耕太郎は、1954年宮城県生まれの写真評論家/きのこ文学研究家/詩人です。1977年日本大学芸術学部写真学科卒業、1984年筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了。学生時代から『現代詩手帖』に投稿しながら詩の活動を始め、1996年『写真美術館へようこそ』(講談社現代新書)でサントリー学芸賞を受賞した同年、第一詩集『茸日記』(三月兎社)を刊行しました。その後写真評論の仕事に追われていましたが、コロナ禍以降に詩人としての活動が活発化し、2022年に第二詩集『完璧な小さな恋人』(ふげん社)で第28回中原中也賞最終選考作に、2024年には第三詩集『トリロジー 冬/夏/春』(港の人)で第32回萩原朔太郎賞最終候補作に選出されています。

このたびふげん社から刊行する第四詩集『猫島からの帰還』は、東アフリカ滞在後に執筆された1982年の原稿がベースになっています。ケニヤの東海岸にあるラム島がモデルとなった、猫たちが支配する「猫島」を舞台に、「わたし」と「猿の顔をした子」が旅をする連作詩です。

本展では、スワヒリ語と日本語のポリフォニーで象づくられた「猫島」の世界を、イマジネーション豊かに彩った高橋克之による挿画の原画17点を展示します。合成うるし、油彩、アクリルで作り上げた木の幹のようなテクスチャーは、アフリカの大地を彷彿とさせるオブジェとなっています。詩群と挿画によって立ち上がる「猫島」を、「わたし」と「猿の顔をした子」と共に、旅していただければ幸いです。

わたしたちを運んできた水の男たちは額に星のある大鴉に返信して高曇りの空に消えていった(「対岸Ⅰ」より)
©️Katsuyuki Takahashi

三角帽子をかぶった黄色い顔の男の肩にもう一つの頭が生えている
青く萎びて目を瞑ったその頭は
口を開くと未来を予言するのだという(「二つ目の頭」より)
©️Katsuyuki Takahashi

むろん、住人たちの頭や肩の上には猫が一匹ずつ載っていて、あたかも彼らの分身のように辺りを睥睨している (「猫島」より)
©️Katsuyuki Takahashi

■開催概要

飯沢耕太郎詩集『猫島からの帰還』刊行記念

高橋克之 挿画展

会期:2025年1月31日(火) 〜2月23日(日)

開館時間:火〜金 12:00〜19:00 土・日 12:00〜18:00

休廊:月曜日、2月11日(火)

会場:ふげん社

〒153-0064 東京都目黒区下目黒5-3-12

TEL:03-6264-3665 MAIL:info@fugensha.jp

https://fugensha.jp

 

■イベント

『猫島からの帰還』朗読会+トーク(出演者:飯沢耕太郎、高橋克之)

2月8日(土)14:00〜15:30

※オンライン配信あり(アーカイブ視聴は2025年3月9日(日)まで)

※イベント終了後にレセプションを開催します。

会場:ふげん社

参加費:詩集+チケット3,000円、チケットのみ1,000円

お申し込み方法:ご希望のチケットをふげん社オンラインストア(https://fugensha-shop.stores.jp/)からご購入ください。店頭でお支払いを希望の方はふげん社まで(03-6264-3665)ご連絡ください。

詳細はこちら

 

■新刊情報

飯沢耕太郎『猫島からの帰還』

挿画:高橋克之

出版社:ふげん社
発行日:2025年1月23日
デザイン:宮添浩司
仕様:スイス装・上製本/110×250mm
頁数:115頁
ISBN:978-4-908955-38-9
価格:¥2,790

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■プロフィール

飯沢耕太郎 Kotaro Iizawa

写真評論家、きのこ文学研究家、詩人。1954年、宮城県生まれ。1977年、日本大学芸術学部写真学科卒業。1984年、筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了。『写真美術館へようこそ』(講談社現代新書、1996年、サントリー学芸賞受賞)ほか著書多数。詩集に『茸日記』(三月兎社、1996年)、『完璧な小さな恋人』(ふげん社、2022年)、『トリロジー 冬/夏/春』(港の人 2024)。ほか詩とドローイング『アフリカのおくりもの』(福音館書店、2001年)、小説とエッセイ『石都奇譚集』(サウダージ・ブックス、発売=港の人、2010年)、俳句とドローイング『月読み』(三月兎社、2018年)、コラージュとドローイング+旅日記『African Sketchbook』(PURPLE、2024年)などがある。

 

高橋克之 Katsuyuki Takahashi

1967年 福島県福島市生まれ。

1992年 福島大学教育学部卒業、1995年 福島大学大学院修了。

展覧会:

1994年・2003年VOCA展(上野の森美術館)、1995~2014年 個展(東邦画廊/京橋)、1998年福島の新世代98(福島県立美術館)、1999年「現代日本絵画の展望」展(東京ステーションギャラリー)、2001年 個展(喜多方市美術館)、かたちをもとめて-11人の日本作家展(釜山市立美術館/韓国)、2005年 New Sprits福島-物語をめぐって(福島県立美術館)、2011年選抜奨励展(損保ジャパン美術館/新宿)、2012 新収蔵展(佐久市立近代美術館)、2016年・2017年 上野の森美術館大賞展(上野の森美術館)他、2018年 個展「幻影 〜それは幻影でできている〜」(ふげん社/築地)、2021年個展「対面」(ふげん社/目黒)、2023年個展「穴の底」(ふげん社/目黒)他。

パブリックコレクション:

福島県立美術館、喜多方市美術館、佐久市立近代美術館、府中市美術館、大川美術館

https://k-takahashi.net/