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2019/05/21(火) - 2019/06/08(土)

布施 直樹 写真展 “I saw a dream yesterday”

終了しました
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このたび、布施 直樹 写真展“I saw a dream yesterday”を、2019 年 5 月 21 日(火)〜6 月 8 日(土)までふげん社にて開催します。

布施直樹は 1970 年神戸生まれの写真家です。布施は、日本国内を放浪しながら 2006 年 ごろから取り憑かれたように写真を始めました。本展では、2006 年から現在まで、地元・関西から秋田、新潟、東京、長崎など各地で撮影した、カラーとモノクロのスナップ写真 約 50 点を展示いたします。

日本各地へ旅をする中で、最初は記録として写真を撮り始めたという布施は、旅の道中に訪れた祭り「長崎くんち」を撮影した時から、じょじょに写真の魅力にとりつかれていったそうです。祭りという非日常の時間の流れの中で、家族が笑い合い楽しそうにしている光景が、輝かしいものとして布施の目に焼きつきました。その夢のような情景を永遠に とどめたいという衝動が、彼にとっての写真の原初体験だったのです。

父親の死や、突然の病により生死の淵をさまようという壮絶な体験をしながら、布施の傍には常に写真がありました。祭の送り火、川を渡る人、虫の死骸、散り際の花、能舞台、祈祷する僧侶、闇夜に散る花火など、彼の作品には、彼岸と此岸を行き来するようなモチ ーフが多く見られ、命の刹那的なきらめきを捉えようとしていることがわかります。 まるで“昨日見た夢”(I saw a dream yesterday)のように、人生は一瞬です。布施は、自身に与えられた限りある時間の中で、万物の命が明滅する世界を全身で浴びるように感 じながら、シャッターを切るごとに我が身を削って撮影しています。

切り取った瞬間に逃げていく風景は、もはやそこに戻ってくることはありません。写真は、永遠の“昨日見た夢”と云えるでしょう。呼吸をするように写真をし、“昨日見た夢” を追い続ける人間の命の痕跡を、どうぞご覧ください。

 

■開催概要

布施 直樹 写真展 “I saw a dream yesterday”

2019年5月21日(火)〜6月8日(土)

火〜金 12:00〜19:00

土 12:00〜17:00

休廊日:日・月・祝

会場:コミュニケーションギャラリーふげん社

〒104-0045 東京都中央区築地 1-8-4 築地ガーデンビル 2F

TEL:03-6264-3665

MAIL:info@fugensha.jp

ギャラリートーク 大西みつぐ(写真家)×布施直樹

5 月 24 日(金)19:00〜
参加費 1,500 円(1 ドリンク付)※要予約

イベント詳細は下記にございます。

 

■ 作家ステートメント

思い出というものは何なのだろうと時々想う。
人はそれぞれの意識、世界の中で生きていく。
今が映し出され続ける日々の中で。
思い出は人をなぐさめ、あるいは苦しめ、時に喜びや希望を与える。
自分の置かれた現実に押しつぶされ、自らの感情に絞め殺される。
なぜ生まれてきたのか、何の為に生きているのか、分からず、信じるものもなく、漂流する。
暗やみの中に光を求める。
写真や表現と名付けられたものがわたしを生き長らえさせている、小さな希望を与えられて いる、そんな気がする。

写真を撮る。
感情の世界とその先の世界を行き来する。
時間から、感情から放たれ、“なにか”とつながる。
わたしを離れる。与えられる感覚。
その瞬間が発行する、声ではない声が聴こえる。
感情のその先にある世界にふれ、生きた実感を与えられる。
つかの間の自分の居場所をみつけられた気持ちになる。
人は暗やみに広がる星を集め、星座をつくり、その上にそれぞれの想いを描く。
“なにが”を求めた日々から与えられたもので、今わたしは表現をする機会を与えられてい る。そんな気がする。

与えられた写真から星座をつくる様になにかを描き、表現してみたいと思います。
様々な出会いと気づきを与えてくれた人々に感謝します。
布施 直樹

 

■作家プロフィール

布施 直樹 (ふせ・なおき)

1970 年 兵庫県生まれ
2006 年頃 写真を始める。比叡山にて一人の阿闍梨様に偶然出会い、拾われる。
2008 年 アサヒカメラ作品掲載。
2008 年 佐渡ヶ島にて写真展。
2009 年 「諸行無常」にて木村伊兵衛賞ノミネート。(審査員推薦)
2010 年 アサヒカメラ作品掲載。
2010 年‐2012 年 活動休止。長崎にてたまたま東松照明さんに出会う。時々写真を見てもらう。
2013 年 アサヒカメラ作品掲載。
2014 年 KYOTO GRAPHIE+グループ展。(gallery9)
2014 年 フランス Foto Fever 出展。(galleryMain)
2015 年 ニコンサロン新宿写真展
2015 年 代官山 PhotoFair 出展(プリントと写真集)
2015 年 ZEN FOTO gallery 写真展「鑑と灯し火」、同名写真集出版
2015 年 ニコンサロン大阪写真展
2016 年 ZEN FOTO gallery young talents スカウト、キュレーション担当
2016 年 ZEN FOTO gallery グループ展
2016 年 galleryMain グループ展
2017 年 – 2018 年 ZEN FOTO gallery young talents スカウト担当
2017 年 KG+出展(galleryMain)
2018 年 アサヒカメラ作品掲載
2018 年 ZEN FOTO gallery 写真展「名前のない写真」

 

■関連イベント

ギャラリートーク 大西みつぐ(写真家)×布施直樹

日時:5 月 24 日(金)19:00〜

参加費:1,500 円(1 ドリンク付)※要予約

会場:コミュニケーションギャラリーふげん社

主に東京の下町を中心に都市と対峙しながら作品制作を続けられている木村伊兵衛賞写真 作家の大西みつぐさんをゲストにお招きして、トークショーを開催します。布施は、10 年前に進むべき道に思い悩んでいた頃、参加したとあるポートフォリオレビューで大西さん から頂いた言葉が、その後の活動の原動力になったといいます。 どのような対話になるか、どうぞご期待ください。

※イベントはご予約制です。ご予約は電話とメールで承っております。
TEL:03-6264-3665
Mail:event@fugensha.jp

 

【ゲストプロフィール】

大西みつぐ 

1952 年東京深川生まれ。東京綜合写真専門学校卒業。1970 年代より東京下町や湾岸の人と 風景、日本の懐かしい町を撮り続けている。

写真集・著書に「下町純情カメラ」、「wonderland」、「川の流れる町で」など。

1985 年「河口の町」で第 22 回太陽賞。1993 年「遠い夏」ほかにより第 18 回木村伊兵衛 写真賞。江戸川区文化奨励賞。2017 年日本写真協会賞作家賞。 2017 年自主映画監督作品「小名木川物語」を公開。
現在、(公社)日本写真家協会会員、(公社)日本写真協会会員、大阪芸術大学客員教授、 ニッコールクラブ顧問。