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【新刊】木原千裕『不思議』刊行と個展開催のお知らせ

2025.11.21 NEW

このたびふげん社は、木原千裕『不思議』を刊行いたします。

木原千裕は、1985年福岡県出身の写真家で、2021年に第1回ふげん社写真賞グランプリを受賞し、第一写真集『いくつかある光の』を刊行しました。

本書は、同じく2021年に第23回写真「1_WALL」でグランプリを受賞した作品を、4年の月日を経て編み直した、木原の2冊目の写真集となります。

恋人の僧侶との関係を、彼女が所属する寺から性別、性的指向、宗教のしがらみを理由に拒絶された出来事は、木原に自身の生の根幹を揺らがすような深い傷と問いを残しました。信仰とは何か、宗教とは何か、という問いと葛藤を胸に、聖地チベット・カイラス山に巡礼の旅へ向かいます。

標高5000mという肉体的にも精神的にも極限に追い込まれた場所で、吹雪の中、五体投地をする信仰者とともに、歩みを止めずに独りひたすら前へと進む中で、その脳裏では過去の記憶が激しく流れ出していきました。そのイメージの奔流は、自己と他者のつながりと、自らが向き合う世界を肯定するように開かれていきます。

アイデンティティが壊れるような困難に遭いながらも、光を求めて歩み続ける中で紡がれた、個人の生と強く結びついた写真とテキストは、この世界のどこかで誰かといつの日か繋がり、新しい物語が立ち上がるでしょう。この世の不思議に満ちた、豊かな連環を感じさせる一冊です。

 

また、写真集の刊行に伴い、12月6日(土)から12月20日(土)まで、エウレカ(福岡・大手門)にて、写真展が開催されます。

個展会期中にはトークイベントが開催されますので、ぜひ併せてお運びください。

ふげん社店頭/オンラインストアでは、本日からご予約注文を受け付けし、12月5日(金)から発送を開始いたします。

■書誌情報

木原千裕『不思議』

2025年11月4日発行
著者:木原千裕

デザイン:尾中 俊介(Calamari Inc.)
発行所:ふげん社
サイズ:A4変形
仕様:上製本
頁数:116頁
写真点数:74点
定価:6,600円(税込)
ISBN:978-4-908955-44-0

ご注文はこちら

 

■展覧会情報

木原千裕「不思議」

会場:EUREKAエウレカ
〒810-0074 福岡県福岡市中央区大手門2-9-30 Pond Mum KⅣ 201

会期:2025年12月6日(土)~12月20日(土)

営業時間:13:00~19:00(最終日は17:00まで)

休廊日:月・火曜日

イベント:

①12月7日(日) 15:00-16:30 参加費:1000円

「Toward I-Photography 」 木原千裕+結城円

九大大学院で教鞭をとる結城さんの研究領域である「私写真」を手がかりに木原作品を探求します。多様な写真表現が生まれる現代において、あらためて〈私〉という視点に立ち返り、私写真の向こうに広がる新たな表現の地平をともに考えます。

②12月13日(土) 14:00-15:30 参加費:1500円

「日々と写真」  木原千裕+喜多村みか+田川基成

現在福岡を拠点に制作し、それぞれのキャリアで作家としての道を歩んできた同世代の九州出身の写真家3人による鼎談。制作する上でふだん考えていること、悩み、生活、これからのこと。3人できままに語り合います。

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