⑥パリ篇:芸術の学び舎“ボザール” Fumi Sekine 欧州三都市見聞録ディレクターの手記 2019.02.22 現地時間2月12日8:31の投稿 現地時間2月12日(火)、ロンドン二日目の朝です。 パリ三日目、8日の午前中は市内のカフェでPARIS PHOTO事務局の方々とミーティングでした。 エントリーに必要な条件の、より具体的なことを伺うことができました。(写真撮り忘れたのが残念) パリフォトの全体像が見えてくるほど、私たちが今やらなければならないことがどんどん見えてきます。 連日人と会っていたので、体力温存のためこの日の昼間は少しホテルで休むことにして、夕方から学生街「カルチェラタン」の近くSaint-Germain-des-Prés駅にある国立高等美術学校 “École nationale supérieure des Beaux-Arts“通称「ボザール」を訪ねました。 内モンゴルから武蔵野美術大学に留学し、さらに去年の秋からこのボザールに1年間交換留学中の若き写真家Ryu Ikaさんに校内を案内していただきました。 彼女は、清里フォト・ミュージアムが主催する「2018年度ヤング・ポートフォリオ」で作品が選出され、同美術館にパーマネント・コレクションとして収蔵されました。 ボザールには、学科という概念がなく、自分が指導を受けたい教授ががいるアトリエを個人で選ぶことができ、アトリエを抜けたり、入ったり、掛け持ちしたり、自由に所属することができます。 個人でコミュニティを選択し、いつでもその選択をやり直すことができるというフレキシブルさは、まずコミュニティありきで行動が制限される日本の学校制度とはかけ離れています。 イカさんは二つのアトリエに所属していますが、ひとつは写真専門のアトリエで、もう一つは、ドローイングの人、彫刻の人、さまざまな学生が入り乱る穴倉のようなアトリエでした。 表現媒体が違う人とも積極的に制作をするので、パリにきてから絵画にも取り組むようになったそうです。 広いアトリエがたくさんあり、建築も素晴らしい。また、校内のいたるところにゲリラ的に制作途中の作品が設置されていました。この素晴らしい学校の施設のすべては、学生のためにある、とイカさんは言います。教授がいる場所は無く、あまり学校にも来ないそう。 周辺環境も素晴らしく、歩いて10分ほどでオルセー美術館、川を渡ればルーブル美術館、オランジェリー美術館があります。学生街で書店やレストラン、ギャラリーも充実しています。 エジプトの古代遺跡のような、太陽と大地のパワーを感じるイカさんの作品が、パリでの経験を経てどのように変化していくのか、とても楽しみです。 PS.個人主義のフランスでは、食事をシェアする文化はありません。一人一皿注文が原則です。牛肉のタルタル、久しぶりの生肉は美味しかったです。 Saint-Germain-des-Prés駅にある「Sonia Rykiel」のショップ