2021/05/06(木) - 2021/05/30(日) 藤岡亜弥写真展「花のゆくえ」 終了しました Exhibition 2001 ©Aya Fujioka このたび 2021年5月6日(木)から 5月30日(日)まで、藤岡亜弥写真展「花のゆくえ」をコミュニケーションギャラリーふげん社にて開催いたします。 藤岡亜弥は広島生まれ・広島在住の写真家です。戦後 70 年以上の時が経つ被爆地としての歴史と今を生きる人がゆるやかに繋がる現在の広島をスナップショットで捉えた写真集「川はゆく」(赤々舎)で、2018 年に木村伊兵衛写真賞、林忠彦賞をダブル受賞しました。 本展では、藤岡亜弥が写真を始めた 1990 年から撮り続けている花の写真を発表します。 性差別やジェンダーについての議論が世界的に広がる近年、1990 年代に登場した若い女性写真家たちが称された「女の子写真」という枠組みについての議論が表出しました。 藤岡亜弥は、『シャッター&ラヴ』(インファス、1996 年)に取り上げられ「女の子写真」と呼ばれた作家の一人です。藤岡は「女の子写真」についての意見を求められた時に、上手く言葉にできなかったことが気にかかっていました。その経験をきっかけに、あの頃の自分の姿を明らかにするためには当時の写真を見返す必要があると考え、古いネガの整理を始めます。その写真から浮かび上がってきたものは、かつて「女の子」と呼ばれた自分と、そこから変化していった自身の姿でした。 本展では、藤岡が写真を始めた 1990 年から 2020 年まで、無意識に撮り続けていた花の写真を拾い集め、クロニクル形式(年代順)で展示します。 女性の象徴とも言える花のイメージを集め、時系列に並べることで、さまざまな困難にぶつかりながら、もがき生きていく人間の姿が立ち現れます。現代社会に生きる者にとって誰もが無関係ではあり得ないジェンダーについて、一人の女性作家の変遷=「花のゆくえ」をご覧いただく機会を設けることで、今一度立ち止まって考えてみたいと思います。 カメラを持って以来、花を撮ることは暮らしのなかの惰性でもあったし 自分なりのささやかな生活意欲だったかもしれない。 それが習性になってしまった。 これまで気まぐれに撮ってきた花を拾い集めたら その断片からなにが見えてくるだろうか。 花はいのちのメタファーとして わたしの存在をより確かなものにしてくれるだろうか。 また、花は女のメタファーとして わたしの傾斜や偏見を説明してくれるだろうか。 それともアイロニカルに解き放ってくれるだろうか。 確かな言葉をもたない写真たち その交差点でわたしはなにを思い出すつもりだろう。 藤岡亜弥 2004 ©︎ Aya Fujioka 2020 ©︎ Aya Fujioka ■開催概要 藤岡亜弥写真展「花のゆくえ」 2021年5月6日(木)〜5月30日(日) 火〜金 12:00〜19:00 土・日 12:00〜18:00 休廊:月曜日 会場:コミュニケーションギャラリーふげん社 〒153-0064 東京都目黒区下目黒5-3-12 TEL:03-6264-3665 MAIL:info@fugensha.jp https://fugensha.jp ■書籍販売 ◯新刊『アヤ子江古田気分』『my life as a dog』2冊組 藤岡亜弥の学生時代=江古田時代(1990年代)の写真で構成された新作がまもなく発売になります。作家の自主制作本で、5月下旬を目標に、鋭意作成中です。→発売予定が6月中旬に変更になりました。 ご予約をふげん社の店頭とオンラインストアで受付しております。 ご予約はこちら ◯『川はゆく』(赤々舎、2017) 第27回林忠彦賞、第43回木村伊兵衛賞受賞作品。版元品切れの希少本です。 ご購入はこちら ◯『私は眠らない』(赤々舎、2017) ご購入はこちら ■イベント ①5月8日(土)14:00〜15:30 トーク「花のゆくえ〜「シャッター&ラヴ」から現在まで」 ゲスト 飯沢耕太郎(写真評論家) 『シャッター&ラヴ』(インファス、1996年)を編集し、同書に藤岡亜弥を取り上げた写真評論家の飯沢耕太郎さんをお招きしてギャラリートークを開催いたします。『シャッター&ラヴ』は、蜷川実花、長島有里枝など、当時一斉に登場してきた1970年前後生まれの女性写真家たちの作品を紹介し、ムーブメントを巻き起こしました。藤岡作品の変遷について、「女の子写真」ブームについて、作家と評論家の視点から、ざっくばらんにお話いただきたいと思います。 詳しくはこちらをご覧ください。 ②5月22日(土)14:00〜15:30 トーク「ヒロシマから花へ」 ゲスト 土田ヒロミ(写真家) 1970年代から現在までヒロシマをテーマに撮影し続けている写真家・土田ヒロミさんをゲストにお招きしてギャラリートークを開催いたします。土田ヒロミさんのヒロシマ三部作や、藤岡亜弥「川はゆく」を参照しながら、ヒロシマと写真のお話、そして本展覧会について、語り合っていただきます。 詳しくはこちらをご覧ください。 ①②とも、参加チケット(会場・オンライン)1,000円です。 ふげん社オンラインストアからチケットをご購入ください。 https://fugensha-shop.stores.jp ■作家プロフィール 藤岡亜弥 Aya Fujioka 広島生まれ、日本大学芸術学部写真学科卒業。2007 年文化庁派遣海外留学生としてニューヨークに滞在。その後 2012 年までニューヨークに在住。現在広島にて制作活動を行う。主な作品に「さよならを教えて」「離愁」「私は眠らない」「川はゆく」がある。「さよならを教えて」でビジュアルアーツフォトアワード、「私は眠らない」で日本写真協会新人賞を受賞。「川はゆく」で 2017 年第 41 回伊奈信男賞受賞。2018 年林忠彦賞、2018 年木村伊兵衛写真賞受賞。現在広島在住。