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2023/12/01(金) - 2023/12/24(日)

ミーヨン個展
「KUU」

終了しました
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©️Mi-Yeon

このたび、コミュニケーションギャラリーふげん社にて、2023年12月1日(金)から12月24日(日)まで、ミーヨン個展「KUU」を開催します。

ミーヨンは韓国ソウル生まれの写真家です。国立ソウル産業大学でデザインを学んだ後、1988年に渡仏し、パリのICART PHOTOで写真を学びます。1991年から東京に移住。2001年からはエッセイストとして活動し最新著作『記憶のほとり』(松柏社、2022)まで幾つかの著作を上梓。その後、東日本大震災や親友の死などをきっかけに写真活動を再開し、路上に生える1本の草の行く末を追った『よもぎ草子』(窓社、2014)や、個々の存在の輪郭の不確かさをテーマにした『Alone Together』(Kaya books、2014)や『I and Thou』(私家版、2015)などを発表。現在まで、生と死、自己と他者など、世界に対する問いや哲学的な思索をベースに、写真と文章を通し表現しています。

本展は、今年9月にフランスはアルルのアンヌ・クレルグ・ギャラリー(Anne Clergue Galerie)にて発表され好評を得た、「色即是空」をテーマに撮影したアーカイバル・ピグメント・プリント約30点を展示いたします。

本作のタイトルは、仏教の教理である「色即是空」が由来です。世界とは不変のものではなく、絶え間ない連続の中にあって、私たちが見ているすべてのものは、条件が満ちた時に顕現した姿であり、全ては仮の形であるという教えです。

ミーヨンが写したのは、空に浮かぶシャボン玉、山の稜線の切れ端、古いトタンの家、交差点に吹き溜まる落ち葉など、とるに足らないものですが、彼女がそれらのシーンと密やかに出会った時の情緒が感じられると同時に、それらの光景が今はもうこの世に無いことを予感させるのです。

永遠に続く時間の中でその一瞬を捉えなければその風景は無かったものになる、写真というプライベートな営為の尊さに改めて気づかされる一方で、それは決して写真家だけに与えられた特別な役割ではなく、一人一人の前に立ち現れた世界の瞬きを知覚し、反応し、描写するという、人間の営みそのものであるということも、ミーヨンの写真は伝えています。

©️Mi-Yeon

©️Mi-Yeon

©️Mi-Yeon

©️Mi-Yeon

 

■作家ステートメント

KUU (2016 – 2023)
たえまない連続

空(くう)は、仏教の基本的な教理である。
他から切り離されて存在するものはなにもなく、なにものもそれ⾃体では存在しない。すべては原因と条件に依存し、条件が満ちれば姿を顕し、条件が⽋ければ隠れる。
なにもないところから突然なにかが⽣まれるのではなく、かたちが変化するだけだ。 すべては顕現という、たえまないプロセスのなかにある。

⼦どものころ、⺟に連れられてお寺に何度か⾜を運んだ記憶がある。来客に出される⼭菜の精進料理がおいしくて、お寺に⾏くのをひそかに楽しみにしていた。
⼤⼈になってからは、散歩の途中で、偶然お寺に⾏き当たることがよくある。だれもいない寺院の静けさに包まれると、⼼地よく、別の次元に⾝をおいているような感覚になる。 仏教はわたしにとって「信じる」ための宗教ではなく、世界の本質を「学ぶ」ための教えである。

ひとり静かに⾵景に出会うとき、⾃分を含む物質の「無常」を想う。昨⽇と今⽇と明⽇は同じではないが、異なるものでもない、と。
本シリーズは⾊即是空を写真で表現する試み。

【⾊即是空】しきそくぜくう
この世の万物は形をもつが、その形は仮のもので、本質は空(くう)であり、不変のものではないという意。

 

■開催概要

ミーヨン個展「KUU」

会期:2023年12月1日(金) 〜12月24日(日)
火〜金 12:00〜19:00
土・日 12:00〜18:00
休廊:月曜日
会場:コミュニケーションギャラリーふげん社
〒153-0064 東京都目黒区下目黒5-3-12
TEL:03-6264-3665 MAIL:info@fugensha.jp
https://fugensha.jp

イベント:
12月1日(金)18:00〜20:00 オープニング・レセプション
12月9日(土)14:00〜15:30 ギャラリートーク ミーヨン×大倉宏(砂丘館 館長)

 

■イベント

①オープニング・レセプション

日時:12月1日(木)18:00〜20:00
会場:コミュニケーションギャラリーふげん社
ご自由にご参加ください。

詳細はこちら

②ギャラリートーク ミーヨン×大倉宏(砂丘館 館長)

日時:12月9日(土)14:00〜15:30
会場:コミュニケーションギャラリーふげん社
参加費:1000円(会場観覧・オンライン配信)
チケット販売▶︎ https://fugensha-shop.stores.jp/
※アーカイブ視聴可能期間は 2024年1月7日(日)まで

詳細はこちら

 

■書籍販売

 

・『Alone Together』

¥4,000 税込(展覧会特別価格)

ご購入はこちら

 

・『よもぎ草子ーあなたはだれですか』

¥2,500 税込(展覧会特別価格)

ご購入はこちら

 

・『I was born ソウル・パリ・東京』

¥1,500 税込(展覧会特別価格)

ご購入はこちら

 

・『記憶のほとり』

¥1,980 税込

ご購入はこちら

 

■プロフィール

ミーヨン Mi-Yeon

韓国ソウル⽣まれ。パリ写真学校 ICART PHOTOで写真を学ぶ。1991年より東京在住。哲学や思想、信仰などをモチーフに作品をつくり続けている。

個展(企画展)
2023 「Céleste – KUU」 アンヌ・クレルグ・ギャラリー、アルル、フランス
2022 「Memories are like Dreams」 好⽂画廊、東京
2022 「I and Thou」 Totem Pole Photo Gallery、東京
2022 「Truth is One」プレイスM、東京
2021 「Truth is One」⾓⽥⼭妙光寺、新潟
2021 「Truth is One」砂丘館、新潟
2020 「Dol/Dang (⽯/堂)」G&S 根⾬、⼤阪
2017 「I and Thou」 ギャラリー mu-an、⻑岡
2016 「I and Thou」 アンヌ・クレルグ・ギャラリー、アルル、フランス
2016 「I and Thou」 ル・サロン・ドゥ・パンテオン、パリ、フランス
2016 「Alone Together」新潟絵屋(企画:⽯井仁志)新潟市
2016 「よもぎ草⼦ーあなたはだれですか」 ギャラリーmu-an、⻑岡
2015 「Alone Together」 Space 22 , ソウル, 韓国
2013 「Alone Together」 ギャラリー冬⻘、東京
2008 「リアルライフ」 森岡書店、東京
2003 「2歳の瞬間(とき)」 クレヨンハウス、東京
2002 「2歳の瞬間(とき)」 せたがや⽂化財団・⽣活⼯房、東京
2001 「I was born ソウル・パリ・東京」 好⽂画廊、東京
2000 「EXISTENCE ‒ Erigeron canadensis」 モール、東京
2000 「EXISTENCE」 ギャラリートモス、東京

グループ展 (企画展)
2023 AFFORDANCE, KITAHANA N GALLERY(企画:Eunoia)
2020 フォトフェスティバル ‒ プロムナードフォトグラフィク, ヴァンドーム, フランス
2017 Gelatin Silver Print, Space 22, ソウル, 韓国
2017 フェスティバル・Regards dʼailleurs, オテル・ドュ・チャペル, ドルー、フランス
2015 フェスティバル・フォト・サンジェルマン, Ephémérides Coréennes,  パリ, フランス
2014 Photo Off、La Bellevilloise、パリ、フランス

出版
2022 『記憶のほとり』(エッセイ+写真)松柏社
2017 『Alone Together』(写真集)Noonbit 写真家選 042、 Noonbit出版社、韓国
2014 『よもぎ草⼦ーあなたはだれですか』(写真集)窓社
2014 『Alone Together』(写真集)kaya books
2006 『⽉と太陽と詩と野菜』(⻑編⼩説) ⾓川春樹事務所
2006 「くらげ」(アンソロジー『ナナイロノコイ』 に収録) ⾓川春樹事務所
2004 『LOVE LAND』(詩+写真) PHP 研究所
2002 『いまここにいるよ』(エッセイ+写真)偕成社
2001 『I was born ソウル・パリ・東京』(エッセイ+写真)松柏社

受賞
*ハンドメイド写真集『I and Thou』
2016 Steidl Book Award Japan、⼊選
2016 Kassel Dummy Award、⼊選、ドイツ
2015 Unseen Dummy Award、⼊選、アムステルダム, オランダ
2015 Self Publishing PHOTOLUX Award、⼊選、ルカ, イタリア
*写真集『Alone Together』
2014 Shashin Book Award、グランプリ, パリ, フランス